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吉原馬雀とは?

 吉原馬雀とはどんな落語家なのか?

 このページに初めてアクセスした方でも分かりやすいように、インタビュー形式で馬雀が落語にどんな考えを持っているのかご案内します。

収録日2024年4月5日

 

 

 --馬雀さんが考える落語の魅力とは何ですか?

 

 ネタを通して、疑似体験ができることだと思います。

 

 --疑似体験とは?

 

 たとえば今サポート詐欺に関するネタを作っているので、それを例に説明します。

 そもそもサポート詐欺って、スマホの画面を通して騙すタイプのなりすまし詐欺なんですが、結構説明するのって大変だと思うんです。デジタルにうとい方だと詐欺師がどういう手段でだましてくるのか、かなりイメージしづらいと思うんです。そういう人たちが詐欺師たちのカモにされやすいのに、そもそもサポート詐欺が何か分からないと対策しようもないですよね。

 

 それが落語なら、サポート詐欺にだまされる過程をそのまま描けます。聴いているお客様は、こういうなりすまし詐欺があるんだなとすごくイメージしやすいんです。

 

 --なるほどそれが疑似体験ですか。だとすると、たとえばサポート詐欺を映像作品とか、その台本を俳優が演じるというのもいいと思うのですが、落語で伝えるメリットは何でしょうか?

 

 はい。まずお金がかかりません(笑)

 

 同じ台本を映像作品にするにせよ、俳優さんに演じてもらうにせよ、複数人必要だと思うのですが、落語家はひとりで複数人を演じわけることができるんです。

 それに特殊な舞台装置も必要ありません。お客様よりも目線が高いステージなり、もしくはビールケースを重ねて綺麗目の布をしいた簡易的な高座でもいいのですが、高座と座布団があれば落語はできます。

 イベント主催者は非常に気楽に落語家は呼びやすいです。

 

 あと落語はお笑いなので、やっぱり楽しめますよね。

 楽しく学べるのが、落語でサポート詐欺のネタをやるメリットですね。

 

 --依頼者は気軽にお仕事を頼みやすいですね。ちなみに台本は脚本家の方がいるのでしょうか?

 

 いいえ。台本は自分で書いてます。

 

 --えっ!?すごいですね!

 

 結構自分でネタを書くタイプの落語家はいますよ。

 

 --落語って伝統芸能なので、寿限無とか芝浜とかそういうのをイメージしてました。

 

 私も入門前はそういうイメージだったんですが、寄席(よせ)に行くと創作系のネタは新作落語と言って、伝統的な古典落語ではないネタを見る機会も結構ありますよ。

 私は前座時代に寄席の楽屋で働いていたのですが、三遊亭円丈というこの落語家は新作落語の神様と言われていたベテランのすごい方なのですが、すごくご年配の落語家が演じるネタの中に、ランボーとか出てきて衝撃でした。円丈師匠がランボーの許可取ってるのか分からないですが…(笑)

 円丈師匠は大ベテランでしたが、出てくるワードが若くて、すごく寄席でウケてたんですね。

 それ以来、落語って伝統芸能だけど、新しいものを受け入れてくれるすごく器の大きな演芸なのだと思いました。

 

 --落語って古くて格式高い伝統芸能というイメージでしたけど、実は違うのですね。

 

 そこは自分たちが一新していかないといけないですよね。

 もっと学校寄席とか、一般企業の研修とか、寄席以外のところにも落語はアプローチしたいです。

 今は落語家の数も東西合わせて800人を超える人数がいるので、伝統的な寄席以外で活躍する落語家がもっといてもいいと思います。

 今回のサポート詐欺のネタも、寄席以外のお客様にアプローチしたいから作ったネタなんです。

 --たしかに詐欺の啓発イベントはわりかし警察関係でやってますよね。

 

 そうなんです。地方だと落語のニーズって、よっぽどの有名人が来ない限りすごく限られているんだと思うんです。

 

 でも詐欺の啓発ってこれはニーズありますよね?自治体イベントでもやってたりする。

 つまり落語を知らない人たちに落語を届けるチャンスなんですよ。

 もともと今作成中のネタは、師匠である吉原朝馬が警察関係の仕事が多く、サポート詐欺の被害が増えているので、その啓発のネタを作りたいということで台本を提供させていただいたのです。

 警察も啓発のイベントをやりたいのですが、でも眠くなるような講義だけだと、お客様には興味をもってもらったり前向きな姿勢で聴いてもらえないですよね。すごく大事なテーマなのに伝わらないもどかしさってあると思うんです。

 

 そこで楽しい落語でイメージをつかんでもらえば、お客様はテーマに関心を持っているので、その後の専門家の講義も張り合いが出てくるんですよね。

 こうやって落語を届けるチャンスは世の中にたくさんあります。

 --若い世代に落語を知ってもらうのは、落語のこれからの課題だと思うのですが、どういったネタがいいと思いますか?

​ 

 これはSDGsの授業との関連ですね。

 日本財団からの委託の仕事で、海ごみ問題を扱ったネタをやってます。海ごみですごろくを作って、それで遊ぶというネタですね。【 ※ 最後に参考動画あり 】

 --すごろくは子供たちも知ってますもんね。

 

 はい。この落語は子供の頃の自分が、すごろくを作るのが好きというところ着想を得てできたネタです。

 

 このほかにも社会的なニーズって色々とあると思うんで、そこにマッチしたネタをこれからもどんどん作っていきたいです。

 詐欺のネタだと、なりすまし詐欺のネタで「対策は合言葉」というネタもあります。同じく最近はロマンス詐欺の被害もすごく増えてるらしいので、そのうちロマンス詐欺のネタも作りたいですね。

 

 他にもこういうネタを作ってほしいということでしたら、依頼者に色々お話を訊きながら、ネタづくりをすることもできますし、初回相談は無料ですので、気軽に問い合わせてほしいです。どうかよろしくお願いします!!

 

​ 

YouTubeチャンネル「海と日本プロジェクト」より

馬雀による海ごみ問題の創作落語の模様

 

 

​馬雀へ連絡をとりたい方は
こちらからお願いします。

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